おじいさんの忘れ物とは
今日はラッキーなことに、電車で座席に座れました。
隣はおじいさんで、こっくりこっくり居眠りをしていました。
何駅か過ぎましたが、おじいさんは私の方に倒れかかりながらこっくりこっくり。
5駅目あたりでしょうか、
アナウンスで
「◯◯駅〜◯◯駅〜」
突然、眠っていたおじいさんが飛び起きて、
慌てて、閉まりかけた扉から降りて行きました。
車内は満員電車ではないですが、ずらっと立っている人がいるくらい混んでいるのに、
誰も、私の隣のおじいさんがいた場所に座ろうとしません。
そして、周りから、何かクスクス笑う声もします。
「えーなに?おじいさん、お漏らしでもしてあるのかな・・・」
と、不安になりながら、ちらっと隣のシートを見てみると、
なんと、そこには、総入れ歯がちょこんと置いてあるのです。
今にもカタカタ笑い出しそうな入れ歯です。
おじいさん、居眠り中に入れ歯が邪魔だったのか、手で持ってたのでしょうか。
慌てて降りたため、シートに置いていってしまったようです。
ちょっと気持ちが悪いし、なんとなく私も恥ずかしかったので、席を立ちたかったのだけど、それもなんだか恥ずかしくて、
見なかったことにして、入れ歯の隣に座り続けました。