引きこもるハムスター

今朝は我が家のハムスターがハムハウスから出て来なかった。ハムハウスとはゲージの中にある小さな家の事だ。私と母はそう呼んでいる。朝にハムスターを起こして、餌をあげる。ハムスターは嫌そうな顔をしながら必死で餌を齧るのだ。しかし今朝は、それができなかった。

「あとであげたら?」

ハムスターにかまけてバイトに遅刻しそうになっている私に、母はそう声をかけた。「代わりにあげとくよ」とは言ってはくれないんだな。私は、うん、とだけ返して、汚れたスニーカーを履いた。

今日のバイトには身が入らなかった。若いのにハゲの目立つバイトリーダーの小言が、今日は格段と多かった。イケメンなのに残念だを

バイトが終わってすぐ、バスに乗り込んだ。途中から雨が降ってきて、雷が鳴っていた。ゴロゴロという音が、回し車の音に聞こえた。

家の戸を開いたが、母はパートに出たらしく、誰もいなかった。鞄をその辺に放り投げて、ゲージの前へと急ぐ。名前を呼んでみる。出て来ない。ゲージを叩いてみる。出て来ない。嫌な汗が背中を伝った。もう1度、名前を呼んだ。のそのそと、ハムスターが出て来た。嫌そうな顔をして。私はハムスターに餌を手渡した。ハムスターは必死で餌を齧っていた。

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